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矯正中の歯みがきと予防

装置をつけている1〜2年は、歯みがきと食事に少しひと工夫が必要です。毎日のひと手間で、きれいな歯並びと健康な歯を両立するためのコツをお伝えします。

①「ホワイトスポット」は
毎日のケアで防げます

装置の周りのホワイトスポット(初期むし歯)は、汚れが残った場所にできます。
毎日の歯みがきと通院のたびのチェックで、防ぐことができます。

明るい洗面所で、装置をつけた高校生の女の子が鏡の前で笑顔で歯をみがいている
毎日のケアで、ホワイトスポットは防げます

ブラケットの周りに歯垢が残ると、歯の表面が白く濁るホワイトスポットができることがあります。むし歯のいちばん初めの段階です。

57の研究のまとめでは、治療中に新しくホワイトスポットができた人は約3人に1人でした。裏を返せば、多くの人はホワイトスポットを作らずに治療を終えています。

研究の数字です。ホワイトスポットのでき方は、磨き方と治療の長さで大きく変わります。

始める前に、今の歯の状態を記録します

ホワイトスポットは、矯正をしていない人の約3割にもみられます。始める前に記録しておけば、治療中の変化に早く気づけます。

歯ぐきのきわに白く濁った帯を見つけたら、早めにお知らせください。初期のうちなら、進むのを止められることがあります。

予防につとめましょう

ホワイトスポットは、装置を外したあとも残ることがあります。だからこそ、作らない工夫がいちばんの近道です。

外して磨けるマウスピース矯正では、歯垢やホワイトスポットが少ないと報告されています。歯みがきのしやすさも、装置選びの目安のひとつです。

②矯正中の歯みがき
3方向と歯間ブラシで、きれいに

ブラケットの上・ワイヤーの上・下の3方向から磨き、歯間ブラシを足すと、装置の周りまできれいに保てます。

白いブラケットとワイヤーをつけた前歯のまわりを、歯間ブラシで清掃している接写
3方向の歯みがきに、歯間ブラシをプラス

装置をつけると、歯ブラシが届きにくい場所が増えます。鏡を見ながら3方向に分けて磨けば、装置の周りまで届きます。

装置の周りの磨き方

  1. ブラケットの上側歯ぐき側から毛先を斜めに当て、小刻みに横に動かす。
  2. ワイヤーの上毛先をワイヤーに乗せるように当て、小刻みに。
  3. ブラケットの下側噛む面側から毛先を斜めに当て、小刻みに。
  4. 歯間ブラシワイヤーの下から差し込み、ブラケットのわきと歯と歯の間を。
  5. 夜は10分以上1日の汚れをしっかり落とす時間。鏡の前で、順番を決めて。
装置に合わせた道具と順番は、歯科衛生士がお伝えします。

清掃器具を増やすと、磨きやすくなります

矯正中の人の研究のまとめでは、歯間ブラシを足すと歯垢と歯ぐきの腫れが減る傾向がみられました。電動歯ブラシも、歯ぐきの出血を減らす助けになると報告されています。

どちらも研究の確実性はまだ高くないため、続けやすい道具を一緒に選びます。ブラケットのきわには、毛先の小さいタフトブラシも便利です。

フッ素入りの歯みがき粉を、毎日

コクランのレビューでは、矯正中のフッ素の使い方が比べられています。土台になるのは、フッ素入りの歯みがき粉で毎日磨くことです。

フッ素のうがい薬を足す効果は小さく、高濃度の歯みがき粉や医院で塗るフッ素は研究がまだ少ない段階です。むし歯のなりやすさに合わせて、担当医と相談します。

装置をつける前に、磨き方を練習します

磨き残しが少ないほどホワイトスポットは防ぎやすいため、装置の前に歯みがきの練習をし、むし歯は先に治します。

通院のたびに磨き方を確かめ、声をかけ続けると歯垢が減ることも報告されています。4〜6週毎の通院で、磨き方を一緒に見直します。

③食事
ひと工夫で、ほとんど食べられます

硬いもの・粘るもの・かぶりつくものも、切る・煮るなどのひと工夫で食べられます。
食べたら磨く習慣で、ホワイトスポットも防げます。

食卓で、りんごを小さく切った皿を前にした高校生の女の子
切って小さくすれば、ほとんど食べられます

食べてはいけないものは、ほとんどありません。形と硬さを変えるだけで、いつもの食事を楽しめます。

矯正中の食べ物

  • 氷・ナッツ・硬いせんべい噛んだ拍子に装置が外れることがあるため、控えめに。
  • キャラメル・ガム・餅装置にからみつきやすいため、治療中はお休みに。
  • りんご・とうもろこしの丸かじり前歯でかぶりつかず、切って奥歯で。
  • フランスパン・ステーキ・こんにゃく小さく切る、やわらかく煮る。
  • うどん・スープ・おかゆ違和感のある最初の数日は、これらから。
  • よく噛んで食べる噛むこと自体は、そのまま続けます。
装置の種類で変わるため、担当医の指示を優先してください。

装置をつけた日や調整のあとの数日は、やわらかいものから。マウスピースは食事のときに外し、ケースへしまいます。

食べたあとと、装置が外れたとき

甘い飲み物は時間を決めて飲み、食べたら磨く習慣をつけると、ホワイトスポットを防ぎやすくなります。磨けない外出先では、水で口をすすいでおきます。

装置が外れたり曲がったりしたら、早めにご連絡ください。早く直せば、治療の遅れを防げます。

④スポーツ・楽器・妊娠・金属アレルギー
前もって伝えれば、備えられます

スポーツはマウスガードで続けられます。
楽器や妊娠の予定、金属アレルギーは、装置を選ぶ前にお伝えいただければ、合わせた方法を考えます。

公園で、サッカーの練習着の男の子が母親とマウスガードのケースを手にしている
スポーツは、マウスガードで続けられます

スポーツ

マウスガードを使えば、ほとんどのスポーツを続けながら、歯や唇の裏を守れます。作り方は相談のときにご説明します。

楽器

金管楽器や歯で挟む楽器は、装置が当たって唇の裏を傷つけたり、装置が壊れたりすることがあります。装置を選ぶ前にお伝えいただければ、演奏に合わせた方法を一緒に考えます。

妊娠

妊娠中はホルモンの影響で、歯ぐきが腫れやすくなります。ていねいな歯みがきと通院のクリーニングで歯ぐきを整えながら、レントゲンの時期などを担当医と相談します。

金属アレルギー

矯正装置の過敏反応を集めた研究のまとめでは、原因の金属はニッケルが大半でした。前もってわかっていれば、装置の材料を選べます。

  • アレルギーのある方は、先に皮膚科で検査と治療を
  • 軽い場合は、一部に装置をつけて様子を見ることも
  • チタンやセラミックの装置、マウスピース矯正を検討
  • かゆみや腫れが出たら、自己判断で外さずにすぐご連絡を
参考文献(10件)
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  10. 中島榮一郎『歯列矯正 これなら安心』講談社 健康ライブラリー 5章・7〜8章。矯正中の歯みがき(鏡を見て小刻みに、3方向、夜10分以上、歯間ブラシ、p.154)、磨けるようになるまで装置を入れない(p.152)、PMTC、食べにくい・壊しやすい食品(p.197-200)、金管楽器とクラリネット・マウスガード(p.186-188)、妊娠中の歯ぐき(p.200-201)、金属アレルギーは皮膚科が先(p.202)
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