①なぜ「量」より「回数」なのか
糖を口にするたびに口の中は約30分酸性になり、歯が溶けます。
回数が増えるほど、溶ける時間の合計が延びます。
糖を口にするたびに口の中は酸性に傾き、約30分かけて戻ります。
pH5.5を下回る間は、歯が溶けています。
1回にまとめて食べるのと、だらだら食べるのと
同じ量でも、少しずつ何度も口にすると、そのたびに30分が積み重なります。
同じ量の甘いものを、どう食べるか
- 酸性になるのは1回
- 約30分で中性に戻る
- 戻る側(再石灰化)の時間が長い
- 口にするたびに酸性になる
- 戻りきる前に、また酸性になる
- 溶ける時間の合計が長くなる
ちびちび飲む、あめを長くなめる、が酸性の時間を延ばす典型です。
内容を変えなくても、回数をまとめれば短くなります。
②「遊離糖」
砂糖だけが糖ではない
むし歯に関わる糖は砂糖だけではありません。
はちみつ・シロップ・果汁の糖も「遊離糖」として同じ扱いです。

気をつけたいのは「遊離糖」です。加えられた糖だけでなく、
はちみつ・シロップ・果汁の天然の糖も含みます。
- 砂糖・ぶどう糖・果糖などの添加された糖
- はちみつ、メープルシロップ
- 果汁、濃縮還元の果汁
「体によさそう」でも、歯にとっては糖
はちみつや果汁は体に悪いものではありませんが、歯の表面の細菌には砂糖と同じ糖です。
遊離糖が摂取エネルギーの10%未満だと、むし歯が少ないことが中程度の確かさで示されています [1]。甘い飲み物も、飲む量が多いほどむし歯が多いと報告されています [2]。
③見落としやすい糖
ジュースと子どもの飲み薬
「砂糖不使用」のジュースや子どもの甘い飲み薬にも糖が含まれることがあります。
表示を確かめる習慣が役立ちます。

砂糖不使用のジュース
「砂糖不使用」のジュースにも果汁の糖があり、むし歯を起こす性質があるとされます。100%果汁の影響は、研究で結果が分かれています [3]。
子どもの飲み薬(シロップ)
飲みやすくするため、糖のシロップが使われていることがあります。
市販の子ども用シロップ9種は、pH3.4〜5.7と酸性でした [4]。
- 糖を含まない製品もあるので、薬剤師に確かめる
- 飲んだあとに水を一口。寝る直前は避ける
- 量を変えたいときは、医師・薬剤師に相談すると安心
お薬は治療のために必要なものです。むし歯が気になるときも、飲み続けながら水を一口などの工夫で歯を守れます。
④無理なく減らすには
やめずに、回数を減らします。
水を飲む、間食の糖を減らす、甘いものの日を決める、などです。

甘いものを一切やめる必要はありません。
糖を減らす工夫
- のどが渇いたら水を飲む甘い飲み物を水やお茶に替えるだけで、酸性の回数が減ります。
- 間食の糖の回数を減らす食べるなら食事の直後に。食事と食事の間に挟まないようにします。
- 甘いものは週1日程度に「甘いものの日」を決めると、だらだら食べになりにくくなります。
- お祝いの日も工夫する誕生日なども楽しみながら、飲み物を水やお茶にするなど小さな工夫ができます。
- 飲み物・あめは時間をまとめるちびちび飲みや長くなめるのは、少量でも酸性の時間が延びます。飲むなら、時間をまとめて。
むし歯だけの話ではありません
むし歯の予防体重の管理糖を減らすことは、むし歯と体重の管理の両方に役立つと考えられています(共通リスク因子アプローチ)。
参考文献(4件)
- Moynihan PJ, Kelly SA. Effect on caries of restricting sugars intake: systematic review to inform WHO guidelines. J Dent Res. 2014;93(1):8-18.PMID: 24323509
- Valenzuela MJ, Waterhouse B, Aggarwal VR, Bloor K, Doran T. Effect of sugar-sweetened beverages on oral health: a systematic review and meta-analysis. Eur J Public Health. 2021;31(1):122-129.PMID: 32830237
- Liska D, Kelley M, Mah E. 100% Fruit Juice and Dental Health: A Systematic Review of the Literature. Front Public Health. 2019;7:190.PMID: 31355175
- Jung EH, Jun MK. Evaluation of the Erosive and Cariogenic Potential of Over-the-Counter Pediatric Liquid Analgesics and Antipyretics. Children (Basel). 2021;8(7):611.PMID: 34356590

