小児歯科は、
歯が生える前から始まっています


お口の育ちは、生まれる前から始まっています[1]。だからこそ、早いうちから一緒に準備できます。
- おなかの中から2歳までの「最初の1,000日」が健康の土台[1]
- むし歯の菌は親からうつるので、うつる時期を遅らせると予防が楽に[1][5]
- 歯並びの育ちは、前歯が生えたときから始まる(追跡調査)[2]
母乳が出にくい方も、菌がうつったお子さんも、今日から始められることがあります。
①妊娠中から始める、お子さんの歯の準備
「最初の1,000日」が、生涯の健康の土台と考えられています。
妊娠中の歯ぐきの病気は早産と関係があるとされるため、妊娠前から整えておくと安心です。


妊娠中は磨きにくく、歯ぐきも腫れやすい時期です。早めに整えておくと、安心して過ごせます。
- 歯周病と早産・低体重児出産の関係を示した研究がある(1996年の小さな研究で7.5倍)[3]
- 歯ぐきの手当ては少し時間をかけて進めるので、妊娠前から始めると安心[1]
- 歯周病の菌と妊娠しやすさの関係も、2025年に新しく報告された[4]
妊娠中も、安定期を中心に受けられる治療があります。気になることは、いつでもご相談ください。
早産・低体重児出産のおそれ(健康な歯ぐきの人を1としたとき)
②授乳期の過ごし方が、歯並びの育ちを助けます
母乳の期間と飲み方が、歯並びの育ちに関わることが示されています。
菌がうつりやすい1歳半〜2歳半ごろをご家族で上手に乗り切ると、その後の予防が楽になります。


- 厚労省は1歳までほしがるだけ、WHO・UNICEFは2歳までをすすめる[7]
- 歯ぐきで噛むように飲む「ラッチオン」が上あごの育ちを助ける[1][8]
- 菌がうつりやすい時期(生後19〜31か月という報告)を知っておくと、守りやすい[5]
母乳が出にくい方も、哺乳びんの飲ませ方や離乳食の形で、噛む力の育ちを応援できます。
成長には順序があり、一つずつ進みます
- 寝返り
- ひとりで座る
- ハイハイ
- 歩く
③歯並びの育ちは、0歳から始まっています
前歯が生えたときの噛み合わせ方が、その後の歯並びの流れにつながることが、追跡調査で確かめられています。
早めに気づけるので、お口ぽかんも骨と筋肉を育てる工夫で後押しできます。

上下の前歯が生えた時点の噛み合わせ方が、その後の流れの大きな手がかりになっていました[2]。
深く噛み込んでいる子も、かじる食べ方とお口の体操で、育ちを後押しできます。
中学生100人のうち、歯並びやかみ合わせに乱れがあった人
叢生・過蓋咬合・反対咬合など80人
乱れが見られなかった人20人
乱れがあったなかった
お子さんに当てはまるものを押してください
関係する記事に印が付きます。押した内容はどこにも送られません。
当てはまっても、すぐに治療が必要とは限りません。定期検診のときに一緒に確かめましょう。
④歯が生えてからの、毎日のケアと予防
フッ素・シーラント・おやつの回数・仕上げ磨きを組み合わせると、お互いを補い合って歯を守れます。
乳歯のむし歯は進みが早いので、早めに見つけて手当てすると安心です。

予防の柱は4つ。それぞれの得意を生かして組み合わせて使います。
- フッ素塗布:乳歯のむし歯を約37%減らす[9]
- シーラント:奥歯の溝のむし歯を減らす。定期検診で確かめ、必要なら塗り直し[10]
- キシリトール:補助として。効き目の確かさはまだ低め[11]
- 仕上げ磨きと、おやつ・飲み物の回数の工夫(ホームケアの土台)
保険が使える処置と使えない処置があり、受診時にわかりやすくご説明します。
4つの予防処置と、それぞれの役割
- フッ素塗布歯の表面を強くし、初期のむし歯を戻す助けに。乳歯で約37%、永久歯で約43%の減少(研究の数字)[9]。毎日のホームケアと合わせて使います
- シーラント奥歯の深い溝を樹脂でふさぎ、汚れをためにくくします[10]。欠けたり取れたりすることもあるため、定期検診で確かめて塗り直します
- キシリトールむし歯の菌が酸をつくりにくい甘味料で、補助として使います。効き目はフッ素より小さく、確かさもまだ低めです[11]。たくさんとるとおなかがゆるくなることがあるので、量を守ると安心です
- 噛み合わせの見守り前歯の当たり方・あごの育ち・指しゃぶりを定期検診で見ていきます。矯正が要るかどうかは、ちょうどよい時期を見てご相談します[2]
⑤歯医者さんデビューは、何歳から
歯が生える前から、いつでもご相談いただけます。
お口に慣れるところからゆっくり始めるので、楽しく通いやすくなると考えています。


歯が生える前からでもご相談いただけます。
- 最初の歯が生えたら、磨き方とおやつの相談から始めましょう
- 初日は治療をせず、座る・お口を見せる練習から
- 泣いても大丈夫。慣れるまで何回かに分けて、ゆっくり進めます
妊娠中の方、赤ちゃんの親御さんも、どうぞお気軽に。
初めての日の流れ(目安)
- お話をうかがう気になること、授乳・おやつ・歯みがきの様子、お薬やアレルギーをうかがいます
- お口に慣れる椅子に座る、ライトを見る、鏡でお口を見せる。できたところまでで、たくさんほめて終わります
- お口を見る歯の本数、むし歯の有無、前歯の当たり方、唇が閉じているかを見ます
- できることから慣れていれば、歯みがきの練習やフッ素塗布を。お子さんのペースに合わせて進めます
- 次の予定を決める定期検診の間隔と、家庭で試すことをひとつ決めて帰ります
⑥当院での小児歯科
1〜3か月ごとの定期検診で、予防処置と噛み合わせの見守りを続け、お子さんの成長を一緒に見守ります。
妊娠中の方の手当ても、同じ医院で続けられます。
墨田区・押上駅から徒歩1分、土曜日も診療しているので、学校や園のお休みの日にも通えます。



当院では、1〜3か月ごとの定期検診で、お子さんの成長を見守ります。
- 定期検診:むし歯・歯の本数・前歯の当たり方・唇の閉じ方
- 予防処置:フッ素塗布・シーラント・キシリトール
- 噛み合わせ:矯正が必要なときは、矯正専門医の診療日へおつなぎします
- 妊娠中の方:むし歯と歯ぐきの手当て
間隔はむし歯のなりやすさに合わせて、お子さんごとに決めます(1〜3か月ごとが目安)。
⑦小児歯科 Q&A
参考文献(12件)
- 仲井(永原)幸恵「妊娠1000日」日本歯科新聞 第362号 2026年2月10日(最初の1,000日・DOHaD・PPP・ミュータンス菌の定着を2歳まで遅らせる・妊娠前からの歯周組織の維持・ラッチオン)
- 藤原康生「0歳からの保育園調査で分かった過蓋咬合,反対咬合,叢生の原因」日本歯科医師会雑誌 Vol.77 No.12 2025年3月(中学生の5人に4人・乳前歯萌出時の咬合パターン・お口ぽかんへの骨と筋肉のアプローチ・前歯がぶり・MFT 4選)
- Offenbacher S, Katz V, Fertik G, Collins J, et al. Periodontal infection as a possible risk factor for preterm low birth weight. J Periodontol. 1996;67(10 Suppl):1103-13. PMID: 8910829
- Kamei-Nagata C, Omori K, Sako H, Sakaida K, et al. Periodontitis associated with Porphyromonas gingivalis infection is a risk factor for infertility through uterine hypertrophy. Sci Rep. 2025;15(1):34964. PMID: 41057450
- Caufield PW, Cutter GR, Dasanayake AP. Initial acquisition of mutans streptococci by infants: evidence for a discrete window of infectivity. J Dent Res. 1993;72(1):37-45. PMID: 8418105
- Peres KG, Cascaes AM, Nascimento GG, Victora CG. Effect of breastfeeding on malocclusions: a systematic review and meta-analysis. Acta Paediatr. 2015;104(467):54-61. PMID: 26140303
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版。1歳未満児は子どもがほしがるだけ母乳を)/WHO・UNICEF の2歳までの母乳育児の推奨
- 仲井(永原)幸恵「妊娠1000日」日本歯科新聞 第362号(2026年2月10日) 表5(哺乳で獲得できること:切端咬合・上顎骨と鼻腔への負荷・口腔周囲筋への負荷・脳への刺激)
- Marinho VC, Worthington HV, Walsh T, Clarkson JE. Fluoride varnishes for preventing dental caries in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(7):CD002279. PMID: 23846772
- Ahovuo-Saloranta A, Forss H, Walsh T, Nordblad A, et al. Pit and fissure sealants for preventing dental decay in permanent teeth. Cochrane Database Syst Rev. 2017;7:CD001830. PMID: 28759120
- Riley P, Moore D, Ahmed F, Sharif MO, Worthington HV. Xylitol-containing products for preventing dental caries in children and adults. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(3):CD010743. PMID: 25809586
- Borrie FR, Bearn DR, Innes NP, Iheozor-Ejiofor Z. Interventions for the cessation of non-nutritive sucking habits in children. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(3):CD008694. PMID: 25825863
