①通い続けるほど、歯は長持ちする
通い続けた人は、歯を失いにくいことが研究で示されています。
治療を終えたあとこそ、歯を守る毎日の始まりです。

治療の終わりは、歯を守る期間の始まり
歯周病は「静かな病気」で、自覚症状が少ないまま進むことがあります [1]。定期的に通うと、小さな変化のうちに気づけます。
早く見つかれば、治療は小さく、短く済みます。
通い続けた人は、歯を失いにくい
8つの研究のまとめでは、通い続けた人は歯を失う危険がおよそ半分でした [3][4]。予防を30年続けた人たちが失った歯は、年代ごとに平均0.4〜1.8本でした [2]。
通い続けた人と、途切れがちだった人
- 歯を失う危険が26%高い [4]
- 自覚症状が出てからの受診になりやすい
- 歯石がたまり、歯ブラシでは落としにくくなる
②おすすめは「1〜3か月ごと」
その理由
細菌は4日で歯の表面に戻り、4〜8週で溝の中も元に近づきます。
増えきる前にリセットできる1〜3か月ごとのメンテナンスを、当院ではおすすめしています。

1〜3か月ごとをおすすめする理由
研究では3〜6か月がひとつの目安とされますが [1]、当院では、より安心して歯を守れる1〜3か月ごとをおすすめしています。
- 溝の中の細菌は、4〜8週で元に近づく [6]。その前にリセットできる
- 小さな変化に早く気づき、すぐに整えられる
- こまめに通うことで、ホームケアの調子も保ちやすい
細菌はどのくらいで戻るのか

歯みがきを止めると、4日のうちに歯の表面の細菌は元に戻ります [5]。溝の中はもう少しゆっくりで、4〜8週で再び増えました [6]。
歯科医院で掃除したあと、細菌が戻るまで
間隔は、お口に合わせて整えます
歯ぐきの状態がよく、ホームケアが行き届いている方は、間隔を少し長めにすることもあります。お口の状態に合わせて、いちばん心地よく続けられる間隔を一緒に決めます。
③通い続けた人に起きていること
通い続けた人は歯を失いにくく、インプラントのまわりの炎症も進みにくいことが分かっています。
間隔があくほど、歯を失いやすくなるという報告もあります。

間隔があくほど、歯を失いやすい
歯周病の治療を受けた人の研究では、メンテナンスの間隔が12か月に近づくほど、失う歯が増えたと報告されています [7]。こまめに通うことが、歯を守る力になります。
インプラントをお使いの方も
インプラントのまわりに炎症があった80人を5年追うと、周囲炎に進んだのは、メンテナンスを続けた人で18.0%、続けなかった人で43.9%でした [9][10]。
インプラントも、天然の歯と同じように、こまめなメンテナンスで長く守れます。
ホームケアとの両輪で
④間隔を決める7つの要因
ホームケア、歯ぐきの出血、溝の深さ、骨、噛み合わせ、全身の病気、タバコを見て、あなたに合う間隔を決めます。

見立てに使う7つの要因
間隔は、検査で見えるものと生活の中にあるものを組み合わせて決めます [1]。出血の割合や骨の減り方、喫煙などを一つの図にまとめる方法もあります [11]。
間隔を決める7つの要因
- ホームケアの調子磨き残しの割合(染め出しで確かめます)。ここがいちばん大きな要因です
- 歯ぐきの炎症と、出血する場所の割合検査で歯ぐきの溝に触れたとき、血が出る場所がどのくらいあるか
- ポケットの深さと、歯ぐきの付着4mm以上の溝が残っているか、何か所あるか
- 骨の減り方と、残っている骨の量レントゲンで、年齢に対して骨がどのくらい減っているか
- 噛み合わせと、失った歯の数噛む力が一部の歯に集中していないか
- 全身の病気糖尿病など、歯周病の進み方に関わる病気があるか
- タバコタバコは歯周病を進めやすくし、同時に炎症を見えにくくします
タバコを吸う方
タバコを吸う方は、検査を丁寧にし、間隔を短めに決めます。詳しくは「タバコと歯周病」の記事でご紹介しています。
状態に合わせて、間隔を見直します
出血や磨き残しが減れば、間隔を少し延ばすこともあります。変化があれば、早めにお越しいただくようご提案します。
⑤メンテナンスでは何をする?
むし歯と歯ぐきの検査をして、歯石取りやPMTC、みがき方の確認をします。
毎回、お口がすっきり整います。
メンテナンスでする主なこと
検診とクリーニングを、同じ日に
検診は「確かめる」こと、クリーニングは「きれいにする」ことです。ふつうは同じ日に行うので、一度の来院で両方が済みます。
保険と自費
検診は、検査や処置の内容に応じて保険の診療です。予防として受けるPMTCは自費で、料金は料金表のページでご覧いただけます。
Q&A
参考文献(12件)
- 内藤徹ほか『知ってて得した!歯周治療に活かせるエビデンス』クインテッセンス出版(Quint Study Club) PART①病因・PART④プロフェッショナルケア(silent disease、喫煙者はBoPが少なく炎症所見が乏しい、通院間隔3〜6か月の根拠3点、間隔を決める7因子、SPT参加者の生活習慣に関する注意)
- Axelsson P, Nyström B, Lindhe J. The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults. Results after 30 years of maintenance. J Clin Periodontol. 2004;31(9):749-57.PMID: 15312097
- Lee CT, Huang HY, Sun TC, Karimbux N. Impact of patient compliance on tooth loss during supportive periodontal therapy: a systematic review and meta-analysis. J Dent Res. 2015;94(6):777-86.PMID: 25818586
- Campos ISO, de Freitas MR, Costa FO, Cortelli SC, Rovai ES, Cortelli JR. The effects of patient compliance in supportive periodontal therapy on tooth loss: a systematic review and meta-analysis. J Int Acad Periodontol. 2021;23(1):17-30.PMID: 33512339
- Sekino S, Ramberg P, Uzel NG, Socransky S, Lindhe J. The effect of a chlorhexidine regimen on de novo plaque formation. J Clin Periodontol. 2004;31(8):609-14.PMID: 15257736
- Magnusson I, Lindhe J, Yoneyama T, Liljenberg B. Recolonization of a subgingival microbiota following scaling in deep pockets. J Clin Periodontol. 1984;11(3):193-207.PMID: 6368611
- Farooqi OA, Wehler CJ, Gibson G, Jurasic MM, Jones JA. Appropriate recall interval for periodontal maintenance: a systematic review. J Evid Based Dent Pract. 2015;15(4):171-81.PMID: 26698003
- Fee PA, Riley P, Worthington HV, Clarkson JE, Boyers D, Beirne PV. Recall intervals for oral health in primary care patients. Cochrane Database Syst Rev. 2020;10(10):CD004346.PMID: 33053198
- Costa FO, Takenaka-Martinez S, Cota LO, Ferreira SD, Silva GL, Costa JE. Peri-implant disease in subjects with and without preventive maintenance: a 5-year follow-up. J Clin Periodontol. 2012;39(2):173-81.PMID: 22111654
- Mojaver S, Zad A, Sarmiento H, Fiorellini JP. Efficacy of supportive peri-implant therapy in the management of peri-implant mucositis and peri-implantitis: a systematic review. J Am Dent Assoc. 2026;157(2):141-152.e4.PMID: 41204923
- Lang NP, Tonetti MS. Periodontal risk assessment (PRA) for patients in supportive periodontal therapy (SPT). Oral Health Prev Dent. 2003;1(1):7-16.PMID: 15643744
- Heitz-Mayfield LJA, Heitz F, Lang NP. Implant Disease Risk Assessment IDRA—a tool for preventing peri-implant disease. Clin Oral Implants Res. 2020;31(4):397-403.PMID: 32003037

