押上ファースト歯科03-5819-4825予約・相談
冬の窓辺で、湯のみを手に微笑み合う夫婦

PMTC(機械的プロフェッショナルケア)とは

PMTC(機械的プロフェッショナルケア)は、歯科衛生士が専用の器具で、毎日のホームケアでは届かない汚れまで機械的に落とし、歯をつるつるに整えるクリーニングです。当院では、パウダーで汚れを吹き飛ばすエアフローも組み合わせています。

①PMTC(機械的プロフェッショナルケア)とは

専用の器具で、歯の表面の細菌の膜を機械的に取り除くクリーニングです。
ホームケアでは届かない場所まで、すっきり整えます。

歯のクリーニングに使う、チップを付け替える専用の機器
専用の機器で、こびりついた膜を落とします

ホームケアでは届かない膜を、機械的に落とす

PMTC(専門家による機械的な歯の清掃)は、歯科衛生士が行う歯のクリーニングです。回転するブラシやゴムのカップ、細いチップで、汚れと細菌の膜を機械的に取り除きます。

細菌の膜(バイオフィルム)は、うがい薬や抗菌薬が届きにくい一方、器具で機械的に壊せます [1]。ホームケアで届きにくい場所の膜を落とすのが、PMTCの役目です。

歯石取りとの違い

超音波の器具で、歯ぐきの上の歯石を取っている図
歯ぐきの上の歯石を、超音波の器具で
手用の器具で、歯ぐきの溝の中の歯石を取っている図
溝の中の歯石は、手用の器具で
  • 歯石取り:固まった歯石を、歯ぐきの上と溝の中から取る。歯周病の治療の一部
  • PMTC:固まる前の汚れと膜を落とし、歯の表面をなめらかに整える

ホームケアと、プロフェッショナルケア(PMTC)

ホームケア(毎日)
  • 歯の表面の汚れを落とす
  • 毎日続けられるので、いちばん大きな土台になる
  • 歯と歯の間や溝の奥は、届きにくいことがある
プロフェッショナルケア(数か月ごと)
  • こびりついた細菌の膜を機械的に壊す
  • ご自分では届かない場所まで、すっきり整える
  • ホームケアと組み合わせることで、きれいな状態が長く続く
両方そろうと、溝の中の細菌まで減ると報告されています [2]。

当院の予防のPMTCは自費診療です。料金は、料金表のページでご覧いただけます。

②PMTCで期待できること

ホームケアと組み合わせると、歯ぐきの炎症が落ち着き、溝の奥の細菌まで減ると報告されています。
歯の表面がつるつるになり、汚れがつきにくくなります。

歯ぐきの上をていねいに掃除すると、溝の奥の細菌まで減る、の前後の断面
溝の上の手入れで、奥の細菌も減っていきます

ホームケアと組み合わせると、歯ぐきの炎症が改善

2026年に発表された研究のまとめでは、歯肉炎の方に、ホームケアの指導とPMTCを組み合わせると、指導だけより歯ぐきの炎症が改善したと報告されています [10]。

同じまとめでは、超音波の器具とパウダーで汚れを吹き飛ばす方法(エアポリッシング)を組み合わせると、効果を保ちながら時間を短くできることも示されています [10]。

溝の奥の細菌まで減った研究

深い歯周ポケットのある12人に、歯ぐきの上の清掃を30週くり返し、ホームケアも徹底した研究では、溝の奥の歯周病菌が減りました [2]。代表的な歯周病菌(レッドコンプレックス)が3か月で減ったという報告もあります [1][4]。

きれいな状態を保つのは、毎日のホームケア

PMTCで整えた状態は、毎日のホームケアで長く保てます。ホームケアを止めると4日ほどで細菌の顔ぶれが戻るため [3]、両方をセットで続けるのがおすすめです。

当院でも、みがき方の確認とPMTCをセットで行い、ご自分に合うホームケアをご提案します。

PMTCで期待できること

  • 歯ぐきの炎症が落ち着くホームケアの指導と組み合わせると、指導だけより改善したと報告されています [10]
  • 歯ぐきの溝の奥の細菌が減る歯ぐきの上の清掃をていねいに続け、ホームケアも伴ったときに報告されています [2]
  • 歯周病菌(レッドコンプレックス)が減る定期的なクリーニングで3か月以内に減り、低い値を保ったという報告があります [1][4]
  • 茶渋やタバコの着色が落ちる表面の着色が落ち、つるつるの手ざわりに。歯そのものの色を白くしたい方は、ホワイトニングをご案内します
  • 効果を長く保つには、ホームケアと一緒にホームケアを止めると4日ほどで汚れが戻ります [3]。毎日のケアが土台です
研究の報告です。効果の出方には個人差があります。

介護が必要な方や入院中の方では、お口の清掃は肺炎や心内膜炎を防ぐためにも大切とされています [1]。訪問での専門的な口腔ケアが、根の部分のむし歯の予防に役立つという報告もあります [11]。

③クリーニングの手順

染め出しで磨き残しを確かめ、エアフローで細かいすき間の汚れを吹き飛ばし、歯と歯の間・表面・噛む面を磨いて、溝を洗い、フッ素を塗ります。
30分ほどで、歯がつるつるに整います。

染め出しの前と後の前歯。薬で染めると、磨き残しが紫色に浮かび上がる
染め出しで、磨き残しを見える化します
歯と歯の間に、往復する薄いチップを当てて清掃している
歯と歯の間は、往復するチップで

当院のPMTCは、エアフローも含めた7つの手順で行います。

当院のPMTCの7つの手順

  1. 汚れの染め出し一見きれいに見える歯でも、薬で染めると磨き残しがはっきり見えます。ご自分では落としにくい場所を確かめてから始めます
  2. エアフロー細かいパウダーと水を吹きつけて、歯の表面・歯と歯の間・歯ぐきの際の汚れや着色を、やさしく吹き飛ばします
  3. 研磨ペーストの塗布フッ素入りのペーストを歯と歯の間に入れ、歯間の掃除を効率よく行える状態にします
  4. 歯と歯の間の清掃歯と歯の間はむし歯になりやすい場所です。往復運動する専用のチップで、ご自分では落とせない細菌の膜を取り除きます
  5. 歯の表面と噛む面の清掃回転する専用のチップで、頬側・舌側・噛む面を磨きます。茶渋やタバコの着色が落ちることもあります
  6. 歯ぐきの溝の洗浄残ったペーストを洗い流したあと、歯ぐきの溝の中を専用のチップで洗います
  7. フッ素の塗布むし歯としみる症状の予防のために、歯の表面にフッ素を塗ります
一般的な手順です。お口の状態によって、順番や内容を変えることがあります。

フッ素の働き

クリーニングのあと、歯の表面にフッ素を塗っている
最後に、フッ素を塗ります

仕上げに塗るフッ素には、3つの働きがあるとされています。毎日のフッ素入り歯みがき剤と組み合わせると、むし歯予防につながります。

  • 細菌が酸を作るのを抑える
  • 溶けかけた表面を戻す(再石灰化)のを助ける
  • 歯の質を強くする

クリーニングは痛い? 終わったあとのこと

多くの方が、気持ちよく受けられるクリーニングです。根が出ている方は一時的にしみることや、炎症のある方は少し出血することがありますが、その場で器具や当て方を調整しますので、お気軽にお伝えください。

④PMTCとエアフローの違い

PMTCはブラシやカップで歯を磨いて整える方法、エアフローは細かいパウダーと水で汚れを吹き飛ばす方法です。
当院では両方を組み合わせて、すみずみまですっきり仕上げます。

PMTCとエアフローの違いのイラスト。左はゴムのカップで歯の表面を磨くPMTC、右は細いノズルからパウダーと水を吹きつけて、歯と歯の間や歯ぐきの際の汚れを飛ばすエアフロー
磨いて整えるPMTCと、吹き飛ばすエアフロー

エアフローも、広い意味ではPMTCの方法のひとつです。ここでは、ブラシやゴムのカップで磨くこれまでの方法と比べてご紹介します。

PMTCとエアフローの違い

PMTC(ブラシ・カップ)エアフロー
落とし方回転するブラシやカップと研磨ペーストで磨く細かいパウダーと水を吹きつけて、汚れを浮かせて飛ばす
得意な場所歯の表面・噛む面。表面をなめらかに磨き上げる歯と歯の間、歯ぐきの際、矯正装置やインプラントのまわりなどの細かい場所
感じ方やさしい振動と、磨かれる感覚軽い風と水の感覚。歯に直接こすりつけない
着色茶渋やタバコの着色を落とす着色も、細かいところまですっきり落としやすい
どちらも、歯の表面の汚れと細菌の膜を機械的に取り除く方法です。歯そのものの色を白くするホワイトニングとは別です。

エアフローで使うパウダー

エアフローには、歯や詰め物の表面を傷つけにくい、粒の細かいやわらかいパウダー(エリスリトールやグリシンなど)が使われます。研究のまとめでも、詰め物やかぶせ物の表面を守るために、こうした低研磨性のパウダーがすすめられています [13]。

研究でわかっていること

歯肉炎の方を対象にした2026年の研究のまとめでは、超音波の器具にエアフローを組み合わせると、ブラシやカップで磨く方法と同じくらいの効果で、時間は短く済んだと報告されています [10]。

染め出しとエアフローを中心に進める方法(GBT)を調べた2026年のまとめでは、痛みが少なく、満足度が高く、時間も短いという結果でした。歯ぐきの検査の数値は、これまでの方法と同じくらいでした [12]。

インプラントのまわりの清掃でも、エリスリトールのパウダーを使ったエアフローは、表面を傷つけずに細菌の膜を落とせたと報告されています [14]。

受ける前にお伝えください

  • ぜんそくなど呼吸器の病気がある方
  • コンタクトレンズをお使いの方(外していただくことがあります)
  • 気になること、しみやすい歯がある方

お口とお体の状態に合わせて、エアフローとブラシ・カップを使い分けます。

⑤「メンテナンス」と「SPT」は違います

メンテナンスは「治った」歯ぐきを保つ健康管理、SPTは「落ち着いた」歯ぐきを守る治療です。
どちらも、歯を長く守ることにつながります。

メンテナンス(健康な歯ぐきを保つ)とSPT(深い溝が残る歯ぐきを悪化させない)の断面比較
メンテナンスとSPTは、歯ぐきの状態で分かれます

「治った」か、「落ち着いた」か

「メンテナンス」という言葉には、2つの意味があります [1]。

  • メンテナンス:溝が浅く出血もない「治った」歯ぐきを保つ健康管理
  • SPT:4mm以上のポケットやぐらつきが残る「病状安定」の歯ぐきを、悪化させないための治療 [1]

メンテナンスとSPTの違い

メンテナンス(健康管理)
  • 歯周病が「治った」歯ぐきが対象
  • 深いポケットや出血が残っていない
  • 健康な状態を保つためのクリーニングと検査
SPT(治療)
  • 「病状安定」の歯ぐきが対象
  • 4mm以上のポケット、根の分かれ目の病変、ぐらつきが残る
  • 検査・歯みがき指導・クリーニング・歯石取り・ポケットの洗浄・噛み合わせの調整などを続ける
どちらに当たるかは、検査の結果で歯科医師が判断します [1]。

SPTでは、歯みがきの指導、PMTC、歯石取り、ポケットの洗浄、噛み合わせの調整などを行います [1]。

SPTを続けると、歯は残りやすいか

8つの研究のまとめでは、通い続けた人は途切れがちな人より、歯を失う危険がおよそ半分でした [6][7]。

通い続けることが、歯を守る大きな力になると考えられています。

参考文献(14件)
  1. 内藤徹ほか『知ってて得した!歯周治療に活かせるエビデンス』クインテッセンス出版(Quint Study Club) PART①病因・PART④プロフェッショナルケア(バイオフィルムと薬剤の浸透、PMTCによるレッドコンプレックスの減少、SRP+PMTC、要介護高齢者へのPMTC、メンテナンスとSPTの違い、SPT参加者の生活習慣に関する注意)
  2. Hellström MK, Ramberg P, Krok L, Lindhe J. The effect of supragingival plaque control on the subgingival microflora in human periodontitis. J Clin Periodontol. 1996;23(10):934-40.PMID: 8915022
  3. Sekino S, Ramberg P, Uzel NG, Socransky S, Lindhe J. The effect of a chlorhexidine regimen on de novo plaque formation. J Clin Periodontol. 2004;31(8):609-14.PMID: 15257736
  4. Socransky SS, Haffajee AD, Cugini MA, Smith C, Kent RL Jr. Microbial complexes in subgingival plaque. J Clin Periodontol. 1998;25(2):134-44.PMID: 9495612
  5. Needleman I, Nibali L, Di Iorio A. Professional mechanical plaque removal for prevention of periodontal diseases in adults—systematic review update. J Clin Periodontol. 2015;42 Suppl 16:S12-35.PMID: 25495962
  6. Lee CT, Huang HY, Sun TC, Karimbux N. Impact of patient compliance on tooth loss during supportive periodontal therapy: a systematic review and meta-analysis. J Dent Res. 2015;94(6):777-86.PMID: 25818586
  7. Campos ISO, de Freitas MR, Costa FO, Cortelli SC, Rovai ES, Cortelli JR. The effects of patient compliance in supportive periodontal therapy on tooth loss: a systematic review and meta-analysis. J Int Acad Periodontol. 2021;23(1):17-30.PMID: 33512339
  8. Eberhard J, Jepsen S, Jervøe-Storm PM, Needleman I, Worthington HV. Full-mouth treatment modalities (within 24 hours) for chronic periodontitis in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(4):CD004622.PMID: 25884249
  9. Lin YH, Gillam DG. The Prevalence of Root Sensitivity following Periodontal Therapy: A Systematic Review. Int J Dent. 2012;2012:407023.PMID: 23193405
  10. Farina R, Simonelli A, Trombelli L, et al. Clinical Efficacy of Interventions Based on Professional Mechanical Plaque Removal in the Treatment of Dental Biofilm-Induced Gingivitis: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Periodontol. 2026.PMID: 41531192
  11. Morén E, Skott P, Edman K, et al. The Effect of Domiciliary Professional Oral Care on Root Caries Progression in Care-Dependent Older Adults: A Systematic Review. J Clin Med. 2023;12(7):2748.PMID: 37048831
  12. Yein N, Martande S, Shetty SK, et al. Clinical efficacy of Guided Biofilm Therapy in the management of periodontal disease - a systematic review. BMC Oral Health. 2026;26(1).PMID: 42032569
  13. Esati J, Amran T, Weiger R, Alsulaimani L, Blatz MB, Eggmann F. Adverse Effects of Ultrasonic Instrumentation and Air Polishing on Dental Restorations: A Systematic Review of Laboratory Studies. J Esthet Restor Dent. 2025;37(6):1372-1383.PMID: 39908196
  14. Delucchi F, Ingegnieros L, Pesce P, et al. Efficacy and safety of erythritol air-polishing in implant dentistry: A systematic review. Int J Dent Hyg. 2025;23(1):44-62.PMID: 38825804
予防歯科のページに戻る⑥ メンテナンスとSPTは違います

あわせて読む