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冬の朝、隅田川の橋の上でマフラーに顔をうずめて微笑む女性

何歳から歯医者に行くべきか

むし歯ができる前に来ていただくと、歯医者を安心して通える場所にしやすくなります。歯が生える前の相談と、初めての日の流れをお伝えします。

①何歳・何か月から? 目安は「最初の歯が生えたら、1歳まで」

最初の乳歯が生えてから、1歳の誕生日までに一度が目安です。
歯が生える前の相談も受けています。

明るい診療室で、母親のひざに座った1歳の赤ちゃんが、女性の歯科医師の持つ小さな歯ブラシに手を伸ばしている
はじめての歯医者さんは、1歳までに一度

米国小児歯科学会は、最初の乳歯が生えてから1歳の誕生日までの受診を勧めています [1]。

1歳6か月と3歳の健診 [2] に加えて歯科で相談すると、磨き方やおやつのことまでゆっくりお話しできます。

子どもの歯と、受診の目安

生後6か月ごろ下の前歯が生え始める
1歳まで初めての歯科受診の目安
1歳6か月自治体の健診。むし歯の菌がうつりやすい時期の真ん中
3歳自治体の健診。乳歯20本がそろうころ
6歳6歳臼歯が生え、生えかわりが始まる
出典:米国小児歯科学会の方針 [1]、母子保健法の健診 [2]。生える時期には半年ほどの個人差があります。

歯が生える前でも、相談できること

「もう3歳だから遅い」ということはありません。今日が一番早い日です。

②早く行くと、何が違うのか

歯医者を、慣れて通える場所にしやすくなります。
菌がうつりやすい時期に、家庭のケアを整えられます。

朝の明るい洗面所で、父親と母親と2歳の子が、それぞれ自分の歯ブラシを持って鏡の前で笑っている
家族みんなで磨くことが、いちばんの予防に

歯医者を「慣れた場所」にする

健康なうちに来ていただくと、椅子に座って数を数えるところから、ゆっくり始められます。楽しい体験の積み重ねが、通い続ける力になります。

菌がうつりやすい時期に間に合う

むし歯の菌は、1歳半〜2歳半ごろ(生後19〜31か月)に家族からうつりやすいとされます [3]。この時期にケアを見直せば、定着を2歳まで遅らせられる可能性があります [4]。

すでにうつっていても、ここからの予防で守っていけます。

乳歯のむし歯も、早めに手当てしたい理由

乳歯の重いむし歯がある子は、治療のあとに体重の増え方が戻ったと報告されています [5]。

1歳までの受診でむし歯がどのくらい減るかは、まだ研究が少ない段階です [6]。それでも、慣れた場所をつくれることは、その後の通院の支えになります。

③初めての日に、何をするのか

お話とお口の確認が中心で、削ることはまずありません。
泣いても大丈夫です。

診療台で、父親のひざに座った幼い女の子に、歯科医師が目の高さで歯の模型を見せている
定期検診(まず椅子に座る練習から)

慣れることが目的で、できたところまでで終わります。

初めての日の流れ(目安)

  1. お話をうかがう生まれてからの様子、母乳やミルク、おやつ、歯みがきの困りごと。母子健康手帳があると助かります。
  2. 椅子に慣れる保護者のひざに座ったままでも構いません。器具を見せて、触ってもらいます。
  3. お口を見る歯の本数、むし歯の有無、噛み合わせ、唇や舌の動きを確かめます。
  4. できれば、歯みがきの練習寝かせ方と歯ブラシの当て方を、保護者の方と一緒に。
  5. 次の予定を決めるフッ素塗布をするかどうかと、次の予定を相談します。定期検診は、むし歯のなりやすさに合わせて1〜3か月ごとが目安です。
一般的な流れです。お子さんの様子で、その日にできるところまでで終えます。

泣く・怖がる子も、大丈夫です

小さな子が泣くのは、知らない場所への反応です。泣くのも、慣れていく途中の大切な一歩です。

不安を減らす方法(器具を見せて説明する、気をそらすなど)は多く研究されています。合う方法は子どもによって違うため、様子を見ながら組み合わせます [7]。

  • 「痛くないよ」より「お口を見せてね」と伝える
  • 眠い・お腹が空く時間を避けて予約を
  • 終わったら、できたことをほめる

急ぐ治療でない限り、押さえつけずに慣れる回数を優先します。そのほうが、その後も安心して通いやすくなります。

④対応年齢と、来る前の準備

歯が生える前の相談から受けています。
治療の範囲は、お口とお子さんの様子で決めます。

白いテーブルの上に、子ども用の歯ブラシ、無地の小さな手帳、絵本、小さなぬいぐるみが並んでいる
持ってくると助かるもの

対応できる年齢や治療の範囲は、お子さんの様子を見て相談時にご説明します。

全身麻酔や強い鎮静が必要な治療は、専門施設をご紹介することがあります。

持ってくると助かるもの

  • 母子健康手帳
  • お薬手帳、または飲んでいる薬のメモ
  • 使っている歯ブラシと歯みがき剤
  • お気に入りのおもちゃや絵本

予約のとき

初めてであること、気になっていることを一言添えてください。時間に余裕のある枠でご案内します。

参考文献(8件)
  1. American Academy of Pediatric Dentistry. Perinatal and Infant Oral Health Care. The Reference Manual of Pediatric Dentistry.(最初の乳歯の萌出後6か月以内、遅くとも1歳の誕生日までの初回受診を推奨)
  2. 母子保健法 第12条(市町村が行う1歳6か月児・3歳児の健康診査。歯科の診査を含む)
  3. Caufield PW, Cutter GR, Dasanayake AP. Initial acquisition of mutans streptococci by infants: evidence for a discrete window of infectivity. J Dent Res. 1993;72(1):37-45.(46組の母子。定着の中央値26か月。「感染の窓」)PMID: 8418105
  4. 仲井(永原)幸恵「妊娠1000日」日本歯科新聞 第362号(2026年2月10日)。MS菌の定着を2歳まで遅らせられれば、その後のう蝕予防が楽になる。PPP(妊娠期からの母子伝播予防)
  5. Sheiham A. Dental caries affects body weight, growth and quality of life in pre-school children. Br Dent J. 2006;201(10):625-6.PMID: 17128231
  6. Bhaskar V, McGraw KA, Divaris K. The importance of preventive dental visits from a young age: systematic review and current perspectives. Clin Cosmet Investig Dent. 2014;6:21-7.(1歳での初回受診の効果の証拠は弱い。高リスクの子では3歳前の受診の利点が示される)PMID: 24672258
  7. Almarzouq SSFS, Chua H, Yiu CKY, Lam PPY. Effectiveness of Nonpharmacological Behavioural Interventions in Managing Dental Fear and Anxiety among Children: A Systematic Review and Meta-Analysis. Healthcare (Basel). 2024;12(5).(66研究。tell-show-do、気そらし法など。結果は一致せず)PMID: 38470648
  8. Marinho VC, Worthington HV, Walsh T, Clarkson JE. Fluoride varnishes for preventing dental caries in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(7):CD002279.(22試験。16歳までの子ども。塗る回数・濃さと効果の大きさに、はっきりした関係は見られなかった)PMID: 23846772
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