①何歳・何か月から? 目安は「最初の歯が生えたら、1歳まで」
最初の乳歯が生えてから、1歳の誕生日までに一度が目安です。
歯が生える前の相談も受けています。

米国小児歯科学会は、最初の乳歯が生えてから1歳の誕生日までの受診を勧めています [1]。
1歳6か月と3歳の健診 [2] に加えて歯科で相談すると、磨き方やおやつのことまでゆっくりお話しできます。
子どもの歯と、受診の目安
歯が生える前でも、相談できること
- 母乳・ミルクの飲み方と、将来の歯並び
- むし歯の菌をうつしにくくする、家族のお口の整え方
- 歯みがきの始め方
「もう3歳だから遅い」ということはありません。今日が一番早い日です。
②早く行くと、何が違うのか
歯医者を、慣れて通える場所にしやすくなります。
菌がうつりやすい時期に、家庭のケアを整えられます。

歯医者を「慣れた場所」にする
健康なうちに来ていただくと、椅子に座って数を数えるところから、ゆっくり始められます。楽しい体験の積み重ねが、通い続ける力になります。
菌がうつりやすい時期に間に合う
むし歯の菌は、1歳半〜2歳半ごろ(生後19〜31か月)に家族からうつりやすいとされます [3]。この時期にケアを見直せば、定着を2歳まで遅らせられる可能性があります [4]。
すでにうつっていても、ここからの予防で守っていけます。
乳歯のむし歯も、早めに手当てしたい理由
乳歯の重いむし歯がある子は、治療のあとに体重の増え方が戻ったと報告されています [5]。
1歳までの受診でむし歯がどのくらい減るかは、まだ研究が少ない段階です [6]。それでも、慣れた場所をつくれることは、その後の通院の支えになります。
③初めての日に、何をするのか
お話とお口の確認が中心で、削ることはまずありません。
泣いても大丈夫です。

慣れることが目的で、できたところまでで終わります。
初めての日の流れ(目安)
- お話をうかがう生まれてからの様子、母乳やミルク、おやつ、歯みがきの困りごと。母子健康手帳があると助かります。
- 椅子に慣れる保護者のひざに座ったままでも構いません。器具を見せて、触ってもらいます。
- お口を見る歯の本数、むし歯の有無、噛み合わせ、唇や舌の動きを確かめます。
- できれば、歯みがきの練習寝かせ方と歯ブラシの当て方を、保護者の方と一緒に。
- 次の予定を決めるフッ素塗布をするかどうかと、次の予定を相談します。定期検診は、むし歯のなりやすさに合わせて1〜3か月ごとが目安です。
泣く・怖がる子も、大丈夫です
小さな子が泣くのは、知らない場所への反応です。泣くのも、慣れていく途中の大切な一歩です。
不安を減らす方法(器具を見せて説明する、気をそらすなど)は多く研究されています。合う方法は子どもによって違うため、様子を見ながら組み合わせます [7]。
- 「痛くないよ」より「お口を見せてね」と伝える
- 眠い・お腹が空く時間を避けて予約を
- 終わったら、できたことをほめる
急ぐ治療でない限り、押さえつけずに慣れる回数を優先します。そのほうが、その後も安心して通いやすくなります。
④対応年齢と、来る前の準備
歯が生える前の相談から受けています。
治療の範囲は、お口とお子さんの様子で決めます。

対応できる年齢や治療の範囲は、お子さんの様子を見て相談時にご説明します。
全身麻酔や強い鎮静が必要な治療は、専門施設をご紹介することがあります。
持ってくると助かるもの
- 母子健康手帳
- お薬手帳、または飲んでいる薬のメモ
- 使っている歯ブラシと歯みがき剤
- お気に入りのおもちゃや絵本
予約のとき
初めてであること、気になっていることを一言添えてください。時間に余裕のある枠でご案内します。
Q&A
参考文献(8件)
- American Academy of Pediatric Dentistry. Perinatal and Infant Oral Health Care. The Reference Manual of Pediatric Dentistry.(最初の乳歯の萌出後6か月以内、遅くとも1歳の誕生日までの初回受診を推奨)
- 母子保健法 第12条(市町村が行う1歳6か月児・3歳児の健康診査。歯科の診査を含む)
- Caufield PW, Cutter GR, Dasanayake AP. Initial acquisition of mutans streptococci by infants: evidence for a discrete window of infectivity. J Dent Res. 1993;72(1):37-45.(46組の母子。定着の中央値26か月。「感染の窓」)PMID: 8418105
- 仲井(永原)幸恵「妊娠1000日」日本歯科新聞 第362号(2026年2月10日)。MS菌の定着を2歳まで遅らせられれば、その後のう蝕予防が楽になる。PPP(妊娠期からの母子伝播予防)
- Sheiham A. Dental caries affects body weight, growth and quality of life in pre-school children. Br Dent J. 2006;201(10):625-6.PMID: 17128231
- Bhaskar V, McGraw KA, Divaris K. The importance of preventive dental visits from a young age: systematic review and current perspectives. Clin Cosmet Investig Dent. 2014;6:21-7.(1歳での初回受診の効果の証拠は弱い。高リスクの子では3歳前の受診の利点が示される)PMID: 24672258
- Almarzouq SSFS, Chua H, Yiu CKY, Lam PPY. Effectiveness of Nonpharmacological Behavioural Interventions in Managing Dental Fear and Anxiety among Children: A Systematic Review and Meta-Analysis. Healthcare (Basel). 2024;12(5).(66研究。tell-show-do、気そらし法など。結果は一致せず)PMID: 38470648
- Marinho VC, Worthington HV, Walsh T, Clarkson JE. Fluoride varnishes for preventing dental caries in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(7):CD002279.(22試験。16歳までの子ども。塗る回数・濃さと効果の大きさに、はっきりした関係は見られなかった)PMID: 23846772

