①口内炎が治らないとき
2週間が目安
ふつうの口内炎は1〜2週間で治ります。
2週間以上治らなければ、歯科へ。

もっとも多い口内炎(アフタ性口内炎)は、1〜2週間で自然に治ります [1]。
受診したほうがよいサイン
口内炎で、歯科に相談したほうがよいとき
- 2週間以上、治らないふつうの口内炎は1〜2週間で治ります。それを過ぎたら、一度診てもらってください。
- 痛みが無いのに、大きくなる口内炎はふつう痛みます。痛みが無いのに広がるものは別の病気のこともあるため、早めに診てもらってください。
- しこり・硬さがある指で触れて硬い、まわりが盛り上がっている。
- 白い斑点・赤い斑点がこすっても取れない舌や頬の内側にできた取れない斑点は、経過を一緒に見ていきます。
- 何度もくり返す、同時にいくつもできる全身の病気(ベーチェット病や炎症性腸疾患など)と関係することもあるため、確かめます[1]。
治るまでの過ごし方
塗り薬は、治るまでの痛みをやわらげてくれます(治る日数はあまり変わりません)。
2週間以上治らないときは、歯科にご相談ください。「診てもらって何もなかった」が一番よい結果です。
②口腔がんについて、知っておいてほしいこと
口腔・咽頭がんは年に約2万4千人が診断されます。
鏡で見える場所にでき、早く気づける病気でもあります。

口の中にもがんはできます。口腔・咽頭がんは2023年に23,771人が診断されました [3]。
- 舌の縁、歯ぐき、頬の内側など、鏡で見える場所にできる
- 初めは口内炎や歯ぐきの腫れと区別しにくい
- 痛みが無いことも多いため、見た目の変化に気づくことが大切
- 喫煙・飲酒が主な危険因子
だからこそ、2週間の目安が大切です。定期的なメンテナンスも、早く見つけることにつながります。
③口の中のできもの・ふくらみ
唇の内側の水ぶくれ、歯の根の先の袋などです。
歯科医院で取れるものと、病院に紹介するものがあります。
唇の粘液嚢胞歯根嚢胞(レントゲン)多くは良性ですが、種類によって対応が違うため、診察で確かめます。
よくある口の中のできもの
| どこに | 特徴 | 対応 | |
|---|---|---|---|
| 粘液嚢胞 | 下唇の内側に多い | 唇を噛んだあとなどにできる水ぶくれ。つぶれても再びふくらむ | 小さなものは歯科医院で摘出できることがある |
| 歯根嚢胞 | 歯の根の先(あごの骨の中) | 神経がはたらきを失った歯の根の先にできる袋。レントゲンで見つかることが多い | 根の治療や、根の先を切る処置。大きいものは病院へ |
| がま腫 | 舌の下 | 唾液がたまって、やわらかくふくらむ | 病院の口腔外科へ紹介することが多い |
| 白板症など | 頬の内側、舌、歯ぐき | こすっても取れない白い斑点 | 経過観察か、組織検査のために紹介[2] |
粘液嚢胞は、袋ごと取ると治まりやすい
下唇の内側の水ぶくれは、唾液の出口がふさがれてできます。つぶしても、袋が残れば再びふくらみます。
小さなものは、袋ごと取れば治まることが多いです。歯の根の先の袋(歯根嚢胞)は、根の治療とあわせて対応します。
受診の目安
- 2週間たっても小さくならない
- 大きくなる、硬くなる
- 何度も同じ場所にできる
- レントゲンで「袋がある」と言われた
④口や歯のけが
歯が抜けた・欠けた・唇を切った
抜けた歯は根を触らず、牛乳か保存液に入れて、すぐ受診を。
乾かさないことが大切です。

歯が抜けたときは、早めの対応が大切です [4]。
永久歯が丸ごと抜けたときの対処
- 歯の頭(白い部分)を持つ根の表面の細胞を守るため、根には触れずに持ちます。
- 汚れていたら、さっとすすぐだけ土などが付いていたら、牛乳か生理食塩水でさっとすすぎます。こすらずにそっと扱うのが大切です。
- できれば、元の穴に戻す戻せる場合は、そっと入れて軽く噛んで押さえる。戻せなければ次へ。
- 牛乳か、歯の保存液に入れる乾かさないことが大切です(ティッシュに包むと乾いてしまいます)。
- すぐに受診するできるだけ早く。当日中の受診を目指してください。
乳歯が抜けたときは、永久歯を傷めないよう元に戻さないのが原則です [4]。歯を持って受診してください。
歯が欠けた・唇を切った
- 欠けたかけらは、乾かさずに持ってくる
- 出血は、清潔なガーゼで押さえる
- 出血が止まらない、傷が深い、歯が大きくぐらつくときは、すぐご連絡を
- 頭を打った、吐き気、意識がもうろうとするときは、先に救急や医科へ
Q&A
参考文献(4件)
- Le Joncour A, Mirouse A, Cacoub P, Saadoun D, Rochefort J. [Idiopathic and secondary recurrent aphthous stomatitis: A narrative review]. Rev Med Interne. 2026.(人口の約10〜20%が経験、1〜2週間で自然に治る、二次性の原因〔ベーチェット病・炎症性腸疾患〕)PMID: 42562675
- Lingen MW, Abt E, Agrawal N, et al. Evidence-based clinical practice guideline for the evaluation of potentially malignant disorders in the oral cavity: A report of the American Dental Association. J Am Dent Assoc. 2017;148(10):712-727.e10.PMID: 28958308
- 国立がん研究センター がん統計「口腔・咽頭」(ganjoho.jp、2026-10 閲覧)。罹患 23,771 人(2023年、男 16,813・女 6,957)、死亡 8,580 人(2024年)、5年相対生存率 63.9%(2018年診断)
- Fouad AF, Abbott PV, Tsilingaridis G, et al. International Association of Dental Traumatology guidelines for the management of traumatic dental injuries: 2. Avulsion of permanent teeth. Dent Traumatol. 2020;36(4):331-342.PMID: 32460393

