①「何科に行けばいいか」迷うのは、自然なことです
痛みの原因が歯なのか、あごの関節なのか、別の病気なのかは、ご自分では見分けにくいものです。
迷ったときは、まず歯科にご相談ください。

歯科では、原因がどこにあるかを確かめるところから始めます。
たとえば、20〜24歳の女性の41.7%が、あごの音を感じています(国の調査)[1]。よくある症状なので、気軽にご相談ください。
歯科に来ていただいてよい症状
- 親知らずのまわりの歯ぐきが、腫れている・痛い
- あごが鳴る・痛い・大きく開けにくい
- 口内炎が2週間以上治らない
- 唇の内側のふくらみ、しこり、白い斑点がある
- 転んで歯が抜けた・欠けた、唇を切った
ほかの病気が考えられるときは、病院をご紹介します。
②症状ごとの受診先の目安
歯・あごの関節・口のできもの・けがは、歯科へ。
耳の症状が中心なら耳鼻咽喉科へ。
息苦しいときは、すぐに救急へ。

症状ごとの受診先の目安
| 症状 | まず歯科(口腔外科) | ほかの科も考えるとき |
|---|---|---|
| あごの痛み・音・開けにくい | 関節や筋肉、親知らずの炎症を診ます | 耳の痛み・耳だれ・聞こえにくさが主なら耳鼻咽喉科 |
| 顔や頬の腫れ | 歯や親知らずが原因の腫れを診ます | 高い熱、飲み込みにくい、息苦しいときは救急 |
| 口内炎・口の中のできもの | 2週間以上治らないもの、しこり、白い斑点 | 全身の発疹や高い熱を伴うときは内科・皮膚科 |
| 歯のけが・唇の切り傷 | 抜けた歯、欠けた歯、口の中の傷 | 頭を打った、意識を失ったときは救急 |
急いで受診してほしい症状
顔が大きく腫れて熱がある、口がほとんど開かない、飲み込みにくい、息苦しい。このようなときは、夜間でも救急を受診してください。
- 歯が原因の腫れでも、首やのどへ広がることがあります
- 夜間・休日は、救急相談(#7119 など)で受診先を確かめられます
耳鼻咽喉科と迷うとき
耳の前の痛みは、あごの関節が原因のことがよくあります。耳だれや聞こえにくさがあるときは、耳鼻咽喉科を先に受診してください。
③歯科で診る、歯のほかの困りごと
親知らず、あごの関節、口の中のできもの・けが・口内炎を診ます。
小さな手術も行います。

口の中とあご、そのまわりの病気が対象です。
- 親知らずや、骨に埋まった歯の抜歯
- 親知らずのまわりの炎症(智歯周囲炎)
- 顎関節症(あごの音・痛み・開けにくさ)
- 小さな嚢胞(ふくろ状のできもの)を取る手術
- 口内炎など、口の粘膜の病気
- 歯が抜けた・欠けたなどのけが
口内炎は「2週間」が目安
ふつうの口内炎は、1〜2週間で治ります。2週間以上治らない、痛みはないのに大きくなる、しこりがある、といったときはご相談ください。
口やのどのがんと診断された人は、2023年に23,771人でした [2]。ほとんどの口内炎はがんではなく、診察で見分けます。
早く見つけるほど、治療の選択肢が広がります。
④病院をご紹介するのは、どんなとき
入院や全身麻酔が必要なとき、外来では難しい処置のとき、重い持病があるときは、病院の口腔外科をご紹介します。

次のような場合は、設備の整った大学病院などをご紹介します。
- 入院や全身麻酔での手術が必要
- 外来では難しい大きさや位置
- 重い持病があり、病院での管理が必要
- がんなど、専門の検査と治療が必要
病院へ紹介する流れ
- 歯科で診察お話をうかがい、レントゲンなどで原因を確かめます。
- 紹介状を書くこれまでの経過と検査の結果をまとめ、どこをご紹介するかをご相談します。
- 病院を受診紹介状を持って受診します。予約の取り方は、そのときにご案内します。
- 病院での検査・治療必要に応じて、入院や全身麻酔での手術を受けます。
- 当院へ戻る治療のあとは、かかりつけとして経過を一緒に見ます。
Q&A
参考文献(4件)
- 厚生労働省『平成28年(2016)歯科疾患実態調査 結果の概要』表31・32(口を大きく開け閉めしたときのあごの音、あごの痛みの自覚。性・年齢階級別)
- 国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」口腔・咽頭(罹患 23,771人:2023年。2026年10月閲覧)
- Kurita K, Westesson PL, Yuasa H, Toyama M, Machida J, Ogi N. Natural course of untreated symptomatic temporomandibular joint disc displacement without reduction. J Dent Res. 1998;77(2):361-5.PMID: 9465168
- 日本顎関節学会『顎関節症初期治療診療ガイドライン 2023 改訂版』(自己開口訓練と上顎型スタビリゼーション口腔内装置を提案。3か月で改善しなければ専門医へ)

