①みんなは、何を入れているか
70〜74歳の半数以上がブリッジ、3人に1人が部分入れ歯。
インプラントは多い年代でも約6%です。

国の調査では、65〜74歳の81.5%に失った歯がありました [1]。
70〜74歳の人が、何を入れているか
80歳以上では、半数近くが部分入れ歯です [1]。
②入れ歯とブリッジ・インプラントの違い
メリット・デメリット
手術の有無、ほかの歯を削るか、取り外し、費用で違います。

入れ歯・ブリッジ・インプラントの比較(優劣ではなく、特徴の違い)
| 入れ歯 | ブリッジ | インプラント | |
|---|---|---|---|
| 手術 | なし | なし | あり(人工の歯根を骨に埋入する) |
| ほかの歯への負担 | バネをかける歯に負担(部分入れ歯) | 両隣の歯を削って支えにする | 隣の歯は削らない |
| 取り外し | 毎日外して洗う | 固定式 | 固定式 |
| あごの骨 | 入れ歯の下の骨はやせやすい | 抜けた場所の骨はやせる | 噛む力が骨に伝わる |
| 期間の目安 | 数週間〜1か月ほど | 数週間 | 数か月(骨と結びつくのを待つ) |
| 費用 | 保険が使える。自費の種類もある | 保険が使える場合がある | 自費 |
| 向かない場合 | 強い吐き気、残った歯が弱いとき | 両隣に丈夫な歯が無いとき | 手術が難しい持病、骨が少ないとき |
料金は、料金表のページでご覧いただけます。
インプラントという選択肢
条件が合えば、インプラントも選択肢です。隣の歯を削らず、取り外しの手間がありません。
手術を受けられる体の状態、自費の費用、お手入れを確かめて選びます。
- 入れ歯:手術を避けたい、費用を抑えたい、失った歯が多い
- ブリッジ:失った歯が少なく、両隣に丈夫な歯がある
- インプラント:隣の歯を削りたくない、手術と費用に納得できる
③10年後に、どれだけ残っているか
インプラント体は10年で約96%、ブリッジは約89%。
入れ歯は同じ物差しの数字がありません。

研究の数字で、。
- インプラント体:10年後に96.4% [2]
- インプラントの上の1本の歯:10年後に89.4% [3]
- 従来のブリッジ:10年後に89.2% [4]
- 部分入れ歯:5年後に95.1% [5]、別の研究で10年後に49.5% [6]
10年後に残っている割合(研究の数字)
インプラント体 [2]95.2〜97.5%
インプラントの上の歯 [3]82.8〜93.6%
従来のブリッジ [4]89.2%
部分入れ歯(842床)[6]49.5%
40%100%
幅は研究が示した95%信頼区間。ブリッジと部分入れ歯は点の値のみ
「残っている」は「問題なく使えている」とは限りません。どの方法も、定期的な確認が長持ちにつながります。
入れ歯は、作り直しや裏打ちで手直ししながら使うものです。
④ブリッジが先、入れ歯は残りに
ほかの歯への負担
バネをかけた歯は抜歯のリスクが約2倍。
前後に歯があればブリッジも候補です。

部分入れ歯でバネをかけた歯は、抜歯のリスクが約2倍でした(46研究のまとめ)[5]。
ブリッジは両隣の歯を削る代わりに、自分の歯に近い噛み心地が得られるとされます [7]。
組み合わせる考え方
ブリッジで補える部分はブリッジに、残りを入れ歯に、という臨床家の考え方があります [7]。
- 前後に歯があり、3本程度まで:ブリッジ(またはインプラント)
- 奥に歯が無い・多く失った:部分入れ歯かインプラント
- 歯が無い下あご:2本のインプラントで留める入れ歯が第一選択とされる [8]
2002年の国際的な合意(マギル合意)が示したものです [8]。上あごでは、同じ差は示されていません。
Q&A
参考文献(8件)
- 厚生労働省『令和4年(2022年)歯科疾患実態調査 結果の概要』表12〜15。喪失歯のある人の割合、補綴物の装着状況(年齢階級別)
- Howe MS, Keys W, Richards D. Long-term (10-year) dental implant survival: A systematic review and sensitivity meta-analysis. J Dent. 2019;84:9-21.PMID: 30904559
- Jung RE, Zembic A, Pjetursson BE, Zwahlen M, Thoma DS. Systematic review of the survival rate and the incidence of biological, technical, and aesthetic complications of single crowns on implants reported in longitudinal studies with a mean follow-up of 5 years. Clin Oral Implants Res. 2012;23 Suppl 6:2-21.PMID: 23062124
- Pjetursson BE, Brägger U, Lang NP, Zwahlen M. Comparison of survival and complication rates of tooth-supported fixed dental prostheses (FDPs) and implant-supported FDPs and single crowns (SCs). Clin Oral Implants Res. 2007;18 Suppl 3:97-113.PMID: 17594374
- Drummond LB, Bezerra AP, Feldmann A, Gonçalves TMSV. Long-term assessment of the periodontal health of removable partial denture wearers: A systematic review and meta-analysis. J Prosthet Dent. 2024;134(5):1664-1685.PMID: 39043477
- Brandt S, Winter A, Lauer HC, Romanos G. Retrospective clinical study of 842 clasp-retained removable partial dentures with a metal framework: survival, maintenance needs, and biologic findings. Quintessence Int. 2024;55(9):704-711.PMID: 38985439
- 丹羽克味『部分床義歯の設計と咬合 ─インプラントより義歯で治す31提言─』学建書院, 2013年。提言5・6
- Feine JS, Carlsson GE, Awad MA, et al. The McGill consensus statement on overdentures. Mandibular two-implant overdentures as first choice standard of care for edentulous patients. Int J Oral Maxillofac Implants. 2002;17(4):601-2.PMID: 12182304

