①歯の色は、何で決まるか
歯の色は、表面の着色と、歯そのものの色の2つで決まります。
ホワイトニングは、歯そのものの色を明るくします。

- 外からの着色:コーヒー・お茶・赤ワイン・タバコ
- 歯そのものの色:生まれつき・年齢・薬の影響(テトラサイクリン歯)
- 詰め物・かぶせ物の変色:人工の材料の色の変化
年齢とともに黄ばんで見えるのはなぜか
表面のエナメル質は年齢とともに薄くなるとされ、黄色みのある象牙質が透けて見えてきます。
黄ばみが詰め物の変色のこともよくあります。その場合は薬では白くならないため、作り直して色をそろえる方法をご案内します。
②薬が色のもとを分解する流れ
薬の成分(過酸化水素)から生じる活性の高い成分が、色のもとの結びつきを切って無色にします。

色のもとは、光を吸収する特別な結びつき(二重結合)を持った有機物です。
主な成分の過酸化水素が歯の中で分解し、フリーラジカルをつくります。
薬が歯を白くする4つの段階
- 薬が歯の中に入る表面の細かいすき間を通って、内側へ広がります。
- 活性の高い成分ができる過酸化水素が分解し、フリーラジカルが生まれます。
- 色のもとの結びつきを切るフリーラジカルが二重結合を切ります。
- 色が見えなくなる光を吸収しなくなり、無色に見えます。
「削る」「上から塗る」のとは違います
色を上から塗るのではなく、色のもとそのものを分解するので、自然な白さになります。
- 歯を削らない
- 白い色を上から塗らない
- 詰め物・かぶせ物の色は変えられない
薬が歯の中に広がるため、しみることがあります。多くは一時的で、しみにくくする工夫もあります。
③濃い薬ほど白くなるが、しみやすい
薬は濃いほど白くなりやすく、濃すぎるとしみやすくなります。
そのため、白さとしみにくさのバランスがよい濃さで使います。

医院の薬は、過酸化水素20〜23%前後に調整されています。濃すぎず薄すぎない濃さで、白さを引き出します。
家の薬の過酸化尿素は、歯の中で過酸化水素に変わります。薄い薬でも、毎日続けることでしっかり白くなると報告されています。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニング、回数を組み合わせて、なりたい白さに近づけます。
④白くなりやすい歯、時間をかけたい歯
年齢による黄ばみは明るくなりやすい色です。
薬による変色や生まれつきの色は時間をかけて近づけ、詰め物は白くならないため別の方法を考えます。

ホワイトニングで変わりやすい色、変わりにくい色
変わりやすい
- 年齢とともに濃くなった黄ばみ
- 飲食による着色が、歯の内側まで入ったもの
変わりにくい
- テトラサイクリン歯(薬の影響による縞模様の変色)
- 生まれつきエナメル質や象牙質がうまく作られていない歯
- 金属の成分が沈着した変色(改善しないため行わない)
変わらない
- 詰め物・かぶせ物・差し歯(人工の材料は分解されない)
白くなりにくい歯は、医院での回数を増やし、家での期間を延ばします。届かないこともあるため、どこまで近づけるかを先にご相談します。
喫煙や食生活は色の戻りやすさに関わるため、計画のときに確かめます。
表面の着色は、クリーニングで落ちます
コーヒーやタバコの表面の着色は、クリーニングで落とします。それだけで、本来の明るい色が戻ることもあります。
施術の前に汚れや歯石を落とすと、薬がしっかり届きます。
Q&A
参考文献(4件)
- 『WHITENING CLEANING ホワイトエッセンスが実践する技術&ノウハウ』2章「リピート化するホワイトニング」1 漂白の基本原理・2 濃度と効果・3 禁忌症・6 1回の満足度・7 施術前のクリーニング
- Kwon SR, Wertz PW. Review of the Mechanism of Tooth Whitening. J Esthet Restor Dent. 2015;27(5):240-57.PMID: 25969131
- de Geus JL, Wambier LM, Boing TF, Loguercio AD, Reis A. At-home Bleaching With 10% vs More Concentrated Carbamide Peroxide Gels: A Systematic Review and Meta-analysis. Oper Dent. 2018;43(4):E210-E222.PMID: 29949477
- Terra RMO, Favoreto MW, Morris T, Loguercio AD, Reis A. Effect of at-home bleaching agents and concentrations on tooth sensitivity: A systematic review and network meta-analysis. J Dent. 2025;160:105891.PMID: 40484311

