「ビタミンCはたくさん摂っても尿から出てしまうから、サプリメントを飲んでも意味がない」
こんな話を聞いたことはありませんか?
結論からいうと、サプリメントから摂ったビタミンも、きちんと体内で利用されます。
ただし、「たくさん摂れば摂るほど健康になる」という意味ではありません。
水溶性ビタミンとは?
ビタミンは大きく、「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」に分けられます。
ビタミンCやビタミンB群は、水に溶ける水溶性ビタミンです。
たとえばビタミンCは、抗酸化作用に関係するほか、
コラーゲンをつくるためにも必要です。
コラーゲンは皮膚だけでなく、
歯ぐきなどの結合組織を構成する大切な成分でもあります。
サプリメントのビタミンCも吸収されます
一般的なビタミンCサプリメントに含まれる「アスコルビン酸」は、
食品に含まれるビタミンCと同程度に体内で利用できることが確認されています。
ですから、
「サプリメントのビタミンCは吸収されない」
「どうせ尿に出るから飲んでも意味がない」
という考え方は正確ではありません。
ただし、人間の体には吸収できる量に限度があります。
ビタミンCの場合、適度な摂取量では約70~90%が吸収されますが、
1日に1gを超えるような大量摂取では吸収率が50%未満まで低下し、
余った分は尿として排泄されます。
つまり、
「尿に出るから意味がない」のではなく、
「必要以上に大量に摂っても、その分だけ効果が増えるわけではない」
と考えると分かりやすいでしょう。
水溶性なら、たくさん摂っても大丈夫?
ここも注意が必要です。
「水溶性ビタミンは余れば尿から出るから安全」と思われがちですが、
過剰摂取による健康障害が起こるものもあります。
たとえばビタミンB6をサプリメントなどから大量に長期間摂取すると、
末梢神経障害を起こす可能性があります。
ビタミンCについても、
非常に多く摂取すると下痢、吐き気、腹痛などを
起こすことがあります。
サプリメントは「多ければ多いほどよい」というものではありません。
サプリメントを積極的に利用した方がよい場合もあります
一方で、サプリメントに明確な意味がある代表例が葉酸です。
現在の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、
妊娠を計画している女性、
妊娠の可能性がある女性、
妊娠初期の妊婦について、
通常の食事に加えて、1日400μgの葉酸をサプリメントなどから摂取することが望ましいとされています。
胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減することが目的です。
このように、年齢や生活環境、妊娠などによっては、
サプリメントを上手に利用することが有効な場合があります。
基本は「食事」、必要に応じて「サプリ」
サプリメントは便利ですが、
食事そのものを置き換えるものではありません。
野菜や果物、肉、魚、卵、乳製品などには、
ビタミンだけではなく、たんぱく質、ミネラル、食物繊維など
多くの栄養素が一緒に含まれています。
まずは日々の食事を整える。
そして、不足する栄養素や特別に必要となる栄養素を、
必要に応じてサプリメントで補う。
これが基本的な考え方です。
お口の健康も、毎日の歯みがきや歯科医院でのメインテナンスだけではなく、
睡眠、運動、そして食事など、身体全体の健康と深くつながっています。
「健康のため」と何となくサプリメントを増やすのではなく、
何を・何のために・どれくらい摂るのかを考えて利用していきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
現在の日本における栄養素摂取基準。2025~2029年度に使用されています。厚生労働省
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」 - 厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント―神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
2026年7月更新。妊娠を計画している女性等への葉酸400μg/日の付加摂取について解説されています。健康日本21アクション支援システム
厚生労働省「葉酸とサプリメント」 - NIH Office of Dietary Supplements:Vitamin C – Health Professional Fact Sheet
ビタミンCの生理作用、吸収、生体利用率、サプリメントについての専門家向け資料です。栄養補助食品局 (ODS)
NIH Vitamin C Fact Sheet - NIH Office of Dietary Supplements:Vitamin B6 Fact Sheet
ビタミンB6の働きと、長期間の過剰摂取による神経障害について解説されています。栄養補助食品局 (ODS)
NIH Vitamin B6 Fact Sheet


