残っている歯を「守る」ための治療
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詩人、石川啄木の詩にこんな1首があります。
「友が皆、我より偉く見える日よ。花を描いきて、妻と親しむ。」
私たちは日々の生活の中で、「どうせ自分なんて」と感じてしまうことがあるのではないでしょうか。
仕事が思うように進まなかったり、人間関係でつまずいたりすると、周囲の人が皆、自分より立派に見えてしまうことがあります。
そんなとき、気持ちはふさぎ込み、意欲も湧かず、誰とも関わりたくない…と感じてしまうかもしれません。
クリニックにいらっしゃる患者さんの中にも、治療の不安やこれまでの経験から「自分はダメだから」「きっと良くならない」と考えてしまう方がおられます。
しかしながら、出口のない道というのは本来なくて、ふとしたきっかけで視界がひらけることもあります。
そのきっかけの一つとして、「自分が一生懸命取り組んできた瞬間」を思い出してみるのはどうでしょうか。
誰にでも、夢中で努力して達成感を得た経験があるはずです。
学生時代に部活で頑張ったこと、子育てに真剣に向き合ったこと、あるいは日常の仕事を責任もってやり遂げたこと。
そのときの感覚を心に呼び戻すと、「どうせ自分なんて」という気持ちとは違う自分の姿を感じられるかもしれません。
歯科治療も似ています。
最初は痛みや不安で緊張していた患者さんが、治療を重ねて少しずつ笑顔を取り戻される場面を私は数多く見てきました。その変化の始まりは、大きな決断や劇的な行動ではなく、「とりあえず一歩踏み出してみる」という小さな選択から始まることが多いのです。
もし今、気持ちが袋小路に入り込んでしまっているように感じたら、「あのときの自分は確かに頑張っていた」と思い出すことから始めてみませんか?
その記憶はきっと、誰かの言葉を素直に受け止める力や、自分の思いを口にする勇気につながるのではないでしょうか。
歯の健康を取り戻すことも、自分の気持ちを立て直すことも、一歩ずつで大丈夫です。
ご自身のペースで、一生懸命だった自分にもう一度光をあててみる。
そんな時間を持っていただけたら嬉しく思います。
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